蚊帳から網戸が普及した理由
網戸の歴史
網戸を語る上で忘れてならないのが、網戸と同じ機能をもった「蚊帳」というものの存在です。
実物を見たことありませんが、イメージ的に食卓にハエが寄り付かないようにかぶせるネットを想像します。
蚊帳の起源は意外と古く、一番古い記録としては応神天皇が播磨の国を巡幸の際に「賀野の里(かやのさと)」というところで御殿を作って蚊帳を張ったというのが「播磨国風土記」に記されております。
奈良時代より以前に中国より伝来してきたのがはじまりと考えられています。
戦国時代までは蚊帳は上流階級だけの贅沢品だったようで、「米にして2〜3石」と高価なものだったようです。
蚊帳の素材は麻によるものがほとんどでしたが、1960年になってようやく合成繊維での蚊帳が登場することになります。
1965年頃まで蚊帳の生産は250万張りを数えるほどのピークをむかえました。
この絶頂期も一瞬で、同じこの頃より急速に下降の一途をたどります。
網戸が普及した二つの理由
「アルミサッシ」が普及された事
1960年から1965年にかけて「アルミサッシ」が登場し、恐ろしい勢いで普及していったことにあります。
アルミサッシはさびにくく、耐久性も強いためメンテナンスがしやすいというメリットがあります。
「開閉のしやすさ=軽さ」も大切にしておきたいポイントです。
初めて合成繊維による「防虫網」が開発された事
現在のダイオ化成の前身である「垣内商事」が初めて合成繊維による防虫網を開発したことです。
当時はサランと呼ばれる塩ビ系の樹脂が素材として用いられ、この素材の名前から防虫網のことを「サラン」と呼ぶ人もいました。
現在では防虫網は環境問題からPP(ポリプロピレン製)の素材が一般的です。
この2つの出来事とともに姿を消していったのが「蚊帳」になるわけです。
現在のような形態の網戸の歴史はさほど古くなく、ここ60年くらいしかないという事実です。
株式会社三恵ネットは1974年設立、47年の老舗防虫網メーカーとなります。
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